学習する組織をつくる「システム思考」

本プログラムのねらい

“分かっているのに行動できない”
“努力をしているのに望ましい結果が出ない”
“メンバーの主体性や創造性が十分に発揮されていない”
“他部署とも連携した全体最適が実現できていない”

事業環境の変化が早く複雑な問題が増える中で、経営から現場まで一人ひとりが大局の流れ、全体像を見据え、根本的な解決へと取り組む必要性が増しています。そして、個人を超えて、環境の変化にいち早く対応しながら自立的に学習し、深化し続ける強い組織、つまり「学習する組織」が求められています。その中核的な能力として、「システム思考」が注目されています。
システム思考とは、複雑な状況下で変化にもっとも影響を与える構造を見極め、さまざまな要因のつながりと相互作用を理解することで、真の変化を創り出すための理論と方法論です。

本ログラムでは、システム思考のツールとその活用法を学んだ後に、様々な事例を通じて多様な「型」を知ることをめざします。そして、参加者の現実の課題にシステム思考を適用する参加・体験型の学習プロセスによって、システム思考の実践上直面する困難を乗り越えるコツを身につけます。

【期待成果】

  • ロジカルシンキングだけでは解決できない複雑な問題への深掘りのアプローチを理解する。
  • 目の前の対処療法ではなく大局的、全体的な視点で本質的な問題解決を図れる。
  • 多様な利害関係者と調和的に行動するために共創的なコミュニケーションができる。

本プログラムで使用する教材・ワークシート(一部)


プログラム例 ※ご要望に応じてカスタマイズ可能です

1日目(10:00~17:00)
【1】はじめに
導入ワークとその振り返りを通じて、物事を構造的に捉える視点を養います。
(1)劇的なパフォーマンス向上を図るには
グループ演習1
「スピード・キャッチ」
(2)ブレイクスルーを生むプロセス・構造
(3)物事を構造的に捉える視点

【2】変化が激しく複雑な時代に必要な思考
急激な変化と複雑性に代表される時代、論理的思考の限界を乗り越えるシステム思考の有用性と、その概要を紹介します。
(1)私たちのものの見方
グループ演習2
「ありのままに現実を捉える」
(2)求められる組織
・「学習する組織」とは
・「学習する組織」の3本の柱
(3)「システム思考とは」
・部分の総和 ≠ 全体
・ロジカル・シンキングとの違い
・システム思考のフレーム「氷山モデル」
事例1
「売上不振に対処せよ」~ある営業部で繰り返される課題~

【3】「システム思考」のツール活用法
プロジェクト・マネジメントを事例として、システム思考のツールの活用法を身につける演習を繰り返し行います。
また、小さな力で大きな変化をもたらす効果的な介入点「レバレッジ・ポイント」の考え方も紹介します。
(1)大局の流れを掴む
【ツール①】「時系列パターングラフ」を使い、課題のパターンを見える化する
(2)大局をつくる構造を見る
グループ演習3
「システム構造を体感する」
【ツール②】「ループ図」を用いて課題構造を見える化する
(3)問題構造の根本、ツボを見抜く
・根本まで掘り下げ、ツボを探求する
グループ演習4
「レバレッジ・ポイントを探す」
・グループ演習の発表・討論
【4】まとめ
・振り返り/質疑応答

2日目(10:00〜17:00)
【5】チェックイン
・組織開発の手法としてのチェックイン
・互いを理解する/学ぶ場を築く

【6】ありがちなシステムの罠
組織や社会でよくみられるいくつかの「共通の型」に触れていくことで、ツールへの理解を深めます。
また、事例を通じて、自身が抱える課題解決へのヒントを得ます。
【ツール③】「システム原型」の紹介
事例2
「うまくいかない解決策」
~繰り返す売上目標未達~
~プロジェクト期限に間に合わない~
事例3
「成長の限界」
~生産が販売に追いつかない~
個人演習
「自社の投資・成長モデルを整理する」
事例4
「問題のすり替わり」
~人材育成が進まない~
~設備稼働率が伸びない~

【7】システム思考のプロセスと実践
システム思考のプロセスを学び、実践上での難しさや対処法の習得のため、グループ毎に参加者課題を選びシステム思考のプロセスで考えていきます。
(1)システム思考のプロセス
①課題設定(クライアントと課題定義)
②パターンを見る
③構造の仮説を立て、検証する
④働きかけを探る
⑤アクションプランを立てる
⑥行動する
⑦学習し、広げる
(2)ビジネスモデル・戦略の構造化
・「ある通販サイトの事例」
・「ある自動車メーカーの事例」
・「あるI T メーカーの事例」
(3)システム思考の実践
グループ演習5
「現実課題へのシステム思考の適用」
・グループ演習の発表・討論

【8】まとめ
・今後のステップ
・振り返り/質疑応答
・チェックアウト

対象

  • 経営企画部門、人事・組織開発部門等の管理者・スタッフの方
  • 事業部門、職場のマネージャー、リーダーおよびその候補者
  • 研究開発、商品開発、技術開発等企画部門のリーダー、スタッフの方

費用について

実施にかかる費用については、「よくあるご質問」をご覧ください。

参加者の声

  • 様々な問題解決の手法を学んできたが、これが一番現場にフィットしそう。 (製造業 課長クラス)
  • これまでの考え方・思考で行き詰まっている方々は違った切り口を知ることができます。 (サービス業 課長クラス)
  • 様々な角度から課題解決するのに役立つと感じた。 (製造業 部長クラス)
  • 複雑な問題を整理して有益なレバレッジポイントを探すことができる。 (情報通信 部長クラス)