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即効性抜群!成果が現れやすい「印象マネジメント」のススメ(2)

研修の最前線で活躍する講師に、いま注目のテーマについて聞き、人材育成について考えるインタビュー。
岩井結美子氏に「印象マネジメント」について聞く本シリーズの第2回では、ビジネスシーンで岩井氏の指導が生かされた実例と、印象マネジメントの意外な副効用についてお話しいただきます。コロナ時代にすぐ役立つワンポイントアドバイスも必見です。

ふさわしい外見は、業種や商品の価格帯によっても違う

 印象を変える方法にはいくつかのポイントがありますが、たとえば服装で狙った印象をつくるための基本としては下記のようなことが挙げられます。

①サイズ:デザイン以前に、まず体型にフィットしていることが大前提。
②素材:同じ価格帯でも、高く見えるものと安く見えるものがある。
③色・柄:赤系=情熱的、青系=清潔感など色ごとに印象が異なる。

 こうしたことを踏まえたうえで、「実際にどんな印象を与えたいのか?」「相手はどういう人なのか?」によって服装を変えていくことになります。誠実さを印象付けたいときと情熱を印象付けたいときでは選ぶべき服装は違いますし、相手が男性か女性か、若い方なのか年配の方なのかによっても違ってきます。

 また、自社の業種や扱っている商品の価格帯によっても、選ぶべきスタイルは変わります。高級車のショールームの接客スタッフがギャル風のファッションではいけませんが、逆にファミリーカーの接客にゴージャスなイブニングドレス姿の女性が出てきても困る……と言うとわかっていただけるのではないでしょうか(笑)。

「売れない」化粧品メーカーの営業が黒髪と銀縁の伊達眼鏡で大変身!

 これを実際のビジネスの場面に当てはめるとどうなるのか、私がお手伝いした中から、化粧品メーカーでの営業職の方のケースをご紹介しましょう。

 その方は20代の男性で、ドラッグストア向けの新規開拓営業を担当されていました。ですが、いくらお店を訪問しても、話を聞いてもらうことすらままならず、苦戦されていたのです。普段営業に回られているときのスタイルをチェックすると、まず髪の色が明るくて、どことなく印象が軽く、もう新人といえる段階ではないのにいかにも新人っぽく見えていることがわかりました。いわゆる「チャラ男」に見えるわけです。

 そこで、まずは髪の色を黒くしていただき、ネクタイをブルー系に変え、敢えてスクエアな銀縁の伊達眼鏡をかけていただきました。そのスタイルで店舗を回っていただいたところ、途端に話を聞いてもらえるようになったというのです。営業先はドラッグストアです。「営業先の業種」も考慮して、印象マネジメントする必要があります。見た目の変化により、また化粧品メーカーに期待される信頼感や清潔感が生まれたことで、営業を受けるお店側の態度が変わったんですね。

マスク姿やオンライン商談でも好印象は作れる

 もちろん、身につけるものだけが印象をつくるというわけではありません。とくにマスクを着けたまま話さなければならない今の社会であれば、ことばや態度が大きな意味を持ってきます。表情が読み取りづらいぶん、好印象を生むのはリアクションの大きさ。意識してことばで補うことも重要で、やや大げさなくらい「凄いと思います!」と言ってみたり、楽しいと感じているならば「今、とても楽しいです」とわざわざことばにして伝えることも印象アップにつながります。

 オンライン商談であれば、背景選びやカメラの角度に注意してみましよう。たとえば、画面上で顎が上がって見えると見下しているような印象を与えるので、商談時にはとくに気をつけるべきです。一般的なノートパソコンのカメラで起こりやすい現象なので、注意してみてください。

印象マネジメントが職場のストレスマネジメントにもなる?

 印象マネジメントがとくに有効な職種を挙げるとするなら、新規開拓の営業をしている人や、接客業全般、アパレルなどの販売員、ショールームスタッフなどがその代表格です。一方で、医師や士業の方が信頼感を高めたり、役員クラスの人がトップマネジメントにふさわしい格を感じさせるためにも、印象マネジメントはとても有効です。

 さらに、社内のリーダーが印象マネジメントに取り組むことは、職場のストレスマネジメントにもつながります。

 たとえば、マネージャークラスの方がそのポジションに見合う印象を持てていないと、いったいどんなことが起こるでしょうか? 本来あるべき姿より頼りない印象を与えてしまえば、部下はその方の話を聞く気になれないかもしれません。本当は部下を育てる情熱を持っているのに、部下からは横柄であったり、無関心に見えてしまうこともよくあります。でも、マネージャーにふさわしい印象をつくり出すことができれば、それだけで、部下に安心感を与えて話しやすい雰囲気を作ることもできますし、自身の言葉に説得力をもたせ、職場で適度な緊張感を保つこともできます。

 つまり、マネージャーが印象をマネジメントすることで、本人が円滑に役割を遂行できるだけでなく、部下のストレスも軽減されるというわけです。しかもその効果が、服装など見た目を変えるだけでもすぐに現れるのですから、まずは取り組んでみる価値もあるというもの。私が印象マネジメントを強くお勧めする理由もわかっていただけるのではないでしょうか。

~つづく(2/3)~

(次回予告)
→第3回では、研修で「印象マネジメント」を学ぶからこその効用と、岩井氏の人材育成への考え方をお聞きします。

第1回 即効性抜群!成果が現れやすい「印象マネジメント」のススメ(1)

 

● 講師プロフィール
岩井 結美子(いわい ゆみこ)
一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定する「産業カウンセラー」資格を取得後、心療内科で心理カウンセラーとなり、患者の社会復帰支援を目的とした臨床経験を積む。2003年に起業し株式会社コンシャスインターナショナルを設立。人材育成支援の専門家として、「自分自身や他者との関係性の改善と向上」をテーマに企業研修や講演で全国を飛び回る。その登壇数は年間150回以上。ユーモアと人情味あふれるパーソナリティーに加え、内容は「すぐ実践できて成果が出る」と好評で、研修依頼のリピート率も高い。メイクセラピスト/心理カウンセラー/魅力ブランディング®トレーナー。一般社団法人メイクセラピストジャパン代表理事。

● 関連プログラム
オンライン営業に強くなる「印象マネジメント」研修