月島テクノメンテサービス【営業研修(コミュニケーション・プレゼン)】

月島機械グループの中核として上下水道設備の維持管理を支える月島テクノメンテサービス株式会社。
営業担当者向けのコミュニケーション研修や企画・プレゼンテーションスキルの研修をご利用いただいた、同社営業推進部 上釜義孝部長にお話を伺い、営業部門の人材育成についての考え方やその背景にある提案営業力強化、JMAの研修を利用いただいたきっかけなどをお聞かせいただきました。
聞き手は日本能率協会 横田靖信です。(本文中 敬称略)

人材育成に力を入れている事業背景

(横田)
本日は、月島テクノメンテサービス株式会社の上釜様に、お話を伺います。
月島テクノメンテサービス株式会社は、上下水道処理設備の運転・保守管理並びに補修改善更新工事や、環境設備に関連する機器・備品の販売などを主に手掛けておられる会社です。昨年から、営業部門に所属されている若手の社員の方を対象に、JMAから講師を派遣する形での研修をさせていただいています。
(上釜)
弊社の業務は、上下水道関係の運転管理と補修工事がメインとなっており、現在、国内だけでも90事業所ぐらいあります。例えば運転管理ですと、どうしても人の手でやらなければいけないこともあります。やはりどうしても、私どもの会社にとって一番大切なのは「人」になります。
(横田)
全国展開の中で、着実な人材育成が求められるということですね。
(上釜)
tsukishima01やはり「人が命」ということになりますよね。弊社の営業部門では、最初はまず現場に赴任し、そこで仕事を覚えてもらった後、営業での仕事についてもらうという形をとっております。現場では決められた業務をきっちりとこなすことが求められますが、反面、全体的なありたい姿に対するコミュニケーションの取り方などが、やはり少し不足しているという感じを持っておりました。もちろんOJTでもフォローするのですが、限界も感じました。
そこで、若手の営業担当を対象に、1回目は「『報・連・相』とコミュニケーション」というところから入っていって、本年の2回目は「提案書作成とプレゼン能力向上」の研修をJMAにお願いしました。
(横田)
研修後、参加された皆さんの具体的な変化はありましたか?
(上釜)
全員というわけにはいかないのですが、やはり参加者のほとんどが変わってきたと感じています。上司や顧客との会話でも的を射た話し方ができるようになったなど、非常に有意義な研修であったと思っています。

どんな場面で提案営業力が問われるか?

(横田)
「能力」というのは、“知識として知っていて、かつ実行できること”と定義できると思いますが、まず基本を知るという研修は、若い社員の方には必要なことだったかもしれませんね。
(上釜)
そうですね。基本を知った上で、今後はOJTにてそれにプラスアルファすることにより、どんどん良くなっていくのではないかなと思っています。2回目にお願いした「提案能力とプレゼンテーションの向上」でも基本を学びました。
tsukishima02私どもの営業は、現在導入いただいている設備の改良や業務の改善など、お客様に様々な提案をさせていただくスタイルなので、当然、ちょっとした提案書を作成したりお客様へのプレゼンテーションを行ったりする機会は多くなります。
(横田)
提案内容に興味を持っていただき、話を聞いてもらうということが必要になるわけですね。
 
(上釜)
これまでは現場の業務だけが中心となり、そういった提案やプレゼンテーションを多くは経験していない部員も多かったので、苦手意識の払拭にも一役あったと感じています。

研修実施後に感じている成果

(横田)
顧客への提案営業に比較的向いていると思われる人が、営業部門に配属されるのでしょうか?
(上釜)
そうですね。適性を見て営業へ来てもらっています。とはいっても、提案やプレゼンテーションといった営業行動は多くの部員にとっては不慣れな業務です。提案の内容は随分人によって差があるのが実情でした。
(横田)
研修を受講された後はいかがでしたか?
(上釜)
研修の後、受講した人たちからは、大変勉強になったという声が多く聞かれまました。実際に上司として、必ず営業活動の場面に一緒についてはいませんので、彼らがお客様へ提案やプレゼンテーションを行っている場面を必ず見ているわけではありませんが、毎年定期的にCS(顧客満足度)調査を行っておりますので、それらに反映されていくものと考えます
営業の仕事にとっては「報・連・相」や、提案・プレゼンテーションスキルの向上は永遠のテーマですので、少しずつでも意識して自分の中でスキルを上げていただきたいですし、会社としても支援していきたいですね。

JMAの講師派遣を利用することになったきっかけとは?

(横田)
上釜部長は技術士でもいらっしゃって、問題把握がピンポイントで、ご依頼をいただいく研修のテーマがいつも明確だと感じています。このような研修テーマは上釜部長ご自身がお考えになられるのでしょうか。
(上釜)
営業会議で各支店長や課長たちが集まる機会がありますので、そういった時に自然にテーマは表出して参考にしています。テーマによっては社内の人間が講師役を務めることもありますが、やはり緊張感がだいぶ違いますね。
tsukishima03(横田)
受講者の受講態度や反応は極めて良かったという印象があります。外部の教育機関による研修を検討されていた中で、私どもJMAにお声掛けをいただいたポイントは、どのあたりにあったのでしょうか。
(上釜)
JMAさんと月島機械グループの付き合いは長く、私もJMAさんの研修を受講させていただいたこともありました。いくつかの研修会社を検討する中で、信用度と具体的な提案があったJMAさんにお願いをすることにしました。事前に数回、研修の打ち合わせを行って弊社の要望を取り入れていただきましたので、ブレがないところで研修をしていただいたと思っています。

自社内での研修実施にこだわったポイント

(上釜)
JMAさんの公開セミナーの受講も検討したのですが、そうしますと、我々が今抱えている問題だけではなくて、一般的な内容の部分が強くなってしまうと考えました。できれば我々のほうから学びたいことを直接ご相談して、それに対応した研修をしていただくことのほうがいいのかなと思いまして、それでお願いをしたわけですね。
(横田)
事前の打合せで、上釜部長と事前にプレゼン資料のどのような部分を改善すべきかなど、相談させていただいたことで、研修に対する講師のイメージも膨らみ、ソリューションが具体的になってきました。
(上釜)
営業といってもいろんな営業があります。我々は特に官庁向けの提案営業が中心ですので、やはりそれに合った形の研修をやっていただいたほうが有難いということです。

人事主催の研修・各部署独自の研修の役割分担

(横田)
今回は、上釜部長が管掌されている営業部門の中での問題意識をいただき、私どもの研修をご提供させていただきました。それ以外ではどのような研修を展開されていらっしゃるのでしょうか。
(上釜)
tsukishima04営業以外の部署でも社内研修の機会は非常に多く、工事関係ですと安全の教育を、運転管理の維持管理の部署では、現在の上下水道関係の運転管理についての研修を年に2回ぐらい、各事業所での出前講座も都度行っています。また、年に3、4回ぐらい研究発表会というものもやっておりまして、知識や経験の共有なども行っています。入社3年目と総合職の上位になった時、管理職になった時には、必ず2日間ぐらいの研修を受けることになっています。
(横田)
各部署が主催する研修と人事部が主催する研修では、求められる性格が違うようですね。
(上釜)
新入社員研修や昇格研修は人事部が行っていますが、各部署の問題はその部署が一番わかっていますので、今は予算をもらって各々が独自に研修を行っていく形になっています。それはそれでいいのかなと思っています。

受講者のニーズや必要性を見極める

(横田)
研修を企画するにあたり、気をつけているポイントなどはありますか?
(上釜)
“受講者のニーズや必要性を見極める”ということが大切だと思います。
例えば、新入社員研修ですと、安全だとか社会人としてのマナー等、一般的な研修になってしまう可能性があります。
弊社には全国に事業所も現場もあり、運転管理や技術部門・工事など、いろいろな働き方があるわけです。いよいよ配属先が決まってやるべきことが決まると、私どもがやっているように、営業部門での研修、維持管理部門での研修、工事・技術部門での研修という、それぞれの研修を行います。ですので、一言に研修といっても違いがあると思いますね。
(横田)
「喉が渇いている人は水がおいしい」。研修を企画する際には、受講者のニーズや必要性を見極めるということが大切だということですね。
(上釜)
そうですね。一般的な内容の研修をやっても、たぶんあまり身に入らないと思います。私も、新入社員研修では、「営業とはこういうことをやっていますよ」ということを話しているのですが、興味のある人はちゃんと聞いていますけれども、あんまり興味がないなっていう人は、他のことを考えたりとかしていますので。興味があればこそ身になるということがあると思っています。
(横田)
不思議なもので、前に立つと、参加者の様子からその方の「やる気」がよくわかりますよね。
(上釜)
一目瞭然ですね。こちらの顔を見てね、非常に熱心に話を聞いたり、メモを取ったりしている姿を見ると、「この人は将来営業に向いているかな」とか思ったりしますね。
(横田)
本日は、貴重な時間をいただきまして、ありがとうございました。