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オープンイノベーションは製造業・非製造業の区別なく重要|日本企業がオープンイノベーションを進めるには その1 

はじめに:オープンイノベーションは製造業・非製造業の区別なく重要

オープンイノベーションの概念は、初めて2003年にチェスブロウよって提唱された。近年は「オープンベーションとは、知識の流入と流出を自社の目的にかなうように利用して社内イノベーションを加速するとともに、イノベーションの社外活用を促進する市場を拡大すること」と述べている。

また、「共進化」とは生物学用語で「複数の種が互いに生存や繁殖に影響を及ぼし合いながら進化する現象」を意味し、オープンイノベーションは、共進化に大変類似している考え方ともいえよう。

図1にクローズドイノベーションと、オープンイノベーションの概念図を掲げた。ここで重要な点は、オープンイノベーションという視点に立つことにより市場展開の段階で、①既存市場・ビジネスモデルの延長線上にある新商品・サービスだけでなく、②自社にとっての新規市場・ビジネスモデル、③他社の既存市場・ビジネスモデルへと自社の可能性を広げることができることである。製造業、非製造業に関わらず、すべての企業にとって活用できる考え方といってよい。

図 1 オープンイノベーションの概念図
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出所:A Brief History and New Frontiers in Open Innovation, Henry Chesbrough 2014をもとに筆者加筆作成

その典型例がアメリカのP&Gの「コネクト+ディベロップ(C+D)戦略」である。2000年にCEOに就任したA.G.ラフリー氏が、イノベーションの50%を外部との連携で実現するという目標を打ち出し、オープンイノベーションを推進した。
2005年時点には、社外で開発された要素を含む新製品は15%から35%に上昇し、R&D効率は約60%向上。イノベーション成功率が2倍以上となる一方で、対売上高研究開発比率は低下し、研究開発費を一定としつつも、純利益が大きく拡大したのである。

これは、自社にとって大きなパラダイム(思考の枠組み)の転換であり、かつチャンスでもあるが、一方で「自前主義」など、いままでの仕事の常識(アタリマエ感)からの脱却を迫られることでもある。
このチャンスをいかに自社に活用できるのか、どのように推進すれば良いのか? KAIKA経営の観点から整理したい。