今どき研修テーマ&メソッド図鑑

研修の効果を高めるアセスメント活用術

公開日:2022/11/24 更新日:2023/09/13

アセスメントは社内の現状、個人の特性や経験、保有スキルを把握するのに有効な手法。実施することで行うべき研修も明確になり、よりすぐれた効果を上げることができます。ここでは、アセスメントの活用の仕方と研修への活かし方を解説するとともに、JMAでご提供しているアセスメントの例をご紹介します。

ハラスメント

人材領域におけるアセスメントとは

アセスメントとは、「評価」や「査定」という意味を持つ語です。一般的には、「何らかの対象について、客観的な基準を設けて偏りなく行う評価」といった意味で用いられます。たとえば、施設などの建設の際に環境影響について評価する「環境アセスメント」、事故などのリスクを評価する「リスクアセスメント」などもその一例です。

人材領域におけるアセスメントとしては、「人材アセスメント」や「組織アセスメント」といった形で、測定、評価する手法やツールが存在します。

人材アセスメントが対象とするのは、一人ひとりの従業員の適性や能力です。適性検査や評価ツールを使用して客観的に測定することで、本人も自覚していないような潜在的な特性が分かる場合もあります。上司による評価などと異なり、相性や主観に左右されないのもメリットです。 

組織アセスメントでは、組織に属するメンバーの適性や能力を測定することで、組織全体としてどのような強みを持ち、どこに弱点があるのかを把握することができます。どのような適正、能力を持つ人が活躍しているのか、どのような人が定着しているのかを知ることもできます。 

アセスメントを行うことのメリット

人材や組織に関するアセスメントを実施することで得られるメリットを、企業と従業員のそれぞれについて挙げてみます。

企業にとって

①人材の適正配置が可能になる

組織としての強み、弱みが客観的に分かるので、弱点を補う人材の配置、採用などを合理的に行うことができます。今いるポジションで力を発揮できていない人を、よりその人に合うポジションに配置転換することもできるでしょう。

また、成果を上げている人がどういう特性の持ち主なのかも把握できるため、同じような特性を持つ人をより多く加えることで強みを強化することもできます。

現在のメンバーにどういうタイプの人が多いのかという傾向がわかることで、より組織の雰囲気に合う人を配置、採用することもできるでしょう。

②効果的な人材育成ができる

メンバーの潜在的な適性、能力が分かるので、適性に応じた育成方法を選ぶ、不足している能力を開発する研修を受けてもらうなどの対応が可能になります。

 従業員にとって

アセスメントによる評価は客観的なものなので、評価される側にとっても、主観的な評価より受け止めやすいというメリットがあります。これから身につけるべき能力が何か分かるのはもちろんのこと、自分の適性が分かることが新たな気付きとなり、モチベーションの向上にもつながり得ます。

研修と組み合わせることによる効果

アセスメントを実施してから研修を行うことで、次のような効果を期待することもできます。

研修受講者

アセスメントによって明らかになった強みを認識し、モチベーションを持って研修に望むことができます。

研修事務局

研修前後にアセスメントを実施することで、効果を測定することができます。また、定点観測的にアセスメントを実施すれば、長期的な育成状況のモニタリングにもなるでしょう。 

JMAが提供するアセスメントの例とその特徴

JMAでもさまざまなアセスメントメニューをご用意しています。求める人材像などをヒアリングした上で質問項目などを決定するオーダーメイドタイプでは、よりニーズに即した評価を行うことができます。

戦略思考力シリーズ

https://solution.jma.or.jp/strategicthinking/

ビジネスを取り巻く環境が激しく変化する中では、ミドルマネジメント層・リーダー層が「戦略思考」を身につけ、自律的に行動する必要があります。しかし、戦略思考力があるかどうかを見抜くのは難しいもの。本シリーズでは、戦略思考力の測定に特化したアセスメントを実施し、現在の水準を明らかにしたたうえで、研修で弱点強化を図ることができます。

「戦略思考」で組織を強くする
https://solution.jma.or.jp/column/c211112-01/

部門マネジメント力シリーズ

https://solution.jma.or.jp/service/research/asm-dep-mgmt/

企業変革において部門の役割を適切に果たすためには、部門マネージャーが必要な能力を発揮することが求められます。本シリーズでは、部門としての課題を発見し、解決する「部門課題解決力」と、組織と人を活かして能力を最大発揮する「組織・人活用力」の2つについてアセスメントを行い、マネージャーとしての立ち位置を確認することができます。

360度多面評価Wiper

https://solution.jma.or.jp/service/research/research1_2/

360度評価は人材アセスメントの代表的な手法の一つで、対象者の上司や同僚、部下などがさまざまな確度から評価を行うことで人材像を捉える手法です。JMAでは、企業が求める人材像をヒアリングした上で、必要と考えられる能力を抽出してディメンションや質問項目をカスタマイズできます。また、本人、上位者、同位者、下位者がその項目に回答して評価を行うことで、自己評価/他者評価のギャップにも着目。対象者自身が自分の行動について客観的に理解し、改善につなげることができます。

アセスメントセンター

https://solution.jma.or.jp/asm-2/

アセスメントセンター方式とは、特定のシチュエーションを模擬設定して演習を行い、対象者の将来の職務遂行能力を予測するものです。企業ごとに求める人材像から抽出したディメンションを設定し、訓練されたアセッサーが評価を行うことで、管理職の選抜や育成に役立てることができます。

何をする?どう役立つ?話題の「インバスケット研修」
https://solution.jma.or.jp/column/c210527/

ワークモチベーション

https://solution.jma.or.jp/workmotivation/

「ワークモチベーション調査」とは組織診断の一種で、心理学に基づくモデルとプロセス分析により、内発的モチベーションと外発的モチベーションのバランスがどのような状態にあるかを測定できるツールです。組織のモチベーションの状態とその要因分析から、真の組織課題は何かを導き出し、その解決へつながる施策やとるべき対応の方向性を知ることができます。 

まとめ

組織の強み、弱みを知ることは育成の第一歩でもあります。より効果的な人材育成のためにも、アセスメントの実施を検討してみていただければ幸いです。

●関連情報

人材アセスメント・組織診断