今どき研修テーマ&メソッド図鑑

DX推進を支えるJMAの研修プログラム

公開日:2022/09/22 更新日:2023/09/14

多くの企業がDXに取り組む必要性を感じているものの、取り組みの進み具合や成果には課題が残っているのも事実です。そこでDX推進に必要な能力、スキルは何かを改めて考え、それを育成する研修プログラムを紹介します。
DX

DXの本質は何か

経済産業省の「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」によると、DXとは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。

 つまりDXとは単なるデジタル化ではなく「デジタル技術によってビジネスを変革すること」といえます。

コロナ禍で企業の働き方に関するDXが進んだ一方で、事業環境の変化にDXを適用できなかった企業の実態が浮き彫りになりました。「DX=レガシーシステム刷新」などとDXがデジタル化の話にすり替わってしまい、本質である企業の変革に繋がらなかったからと考えられています。

DXを推進するにあたり、どのような能力が求められるか

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が2019517日に公開した「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」では、DX推進人材の種類として6つの職種を定義しています。

https://solution.jma.or.jp/column/c210107-4/

これらの職種は、デジタルを中心にビジネスをみる「トランスフォーメーション人材」と、デジタル技術そのものを取り扱う「デジタル人材」に分類することができます。

「トランスフォーメーション人材」

ビジネス変革のために必要な人材です。課題発見・ビジネスモデルや業務の設計、組織変革、業務変革、プロジェクト管理などを行います。

①プロデューサー
DXやデジタルビジネスの実現を主導するリーダー格の人材です。事業全体を把握して的確な意思決定を行うために「ビジネス・マネジメント力」、ビジネスを取り巻く環境変化を読み解く「外部環境把握力」、内部・外部に人材や組織を巻き込む「組織牽引力」が必要とされます。 

②ビジネスデザイナー
DXやデジタルビジネスの企画・立案・推進等を担う人材です。市場や顧客の課題やニーズからビジネスを発想する「着想力」、コンセプトを魅力ある企画に仕立て上げる「企画構築力」、チーム内の議論を活性化させる「ファシリテーション力」が必要とされます。

「デジタル人材」

DX推進に必要なデジタル人材です。デジタル技術に精通している人材でデータの解析、システムの設計・開発・実装を行います。

 アーキテクト
DXやデジタルビジネスに関するシステムを設計できる人材です。具体的には「アーキテクチャ設計」「コンサルティング技法の活用」「プロジェクトマネジメント」などのスキルが必要とされます。

 ④データサイエンティスト/AIエンジニア
DXに関するデジタル技術(AIIoT)やデータ解析に精通した人材です。データを見るためには、統計学知識と経験が前提となります。「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」などが必要です。

⑤UXデザイナー
DXやデジタルビジネスのユーザー向けデザインを担当する人材です。サービスの利用者が理解しやすく使いやすい、デザインを作るためのスキルが求められます。「インターネット概論」「ウェブデザイン技術」「アクセシビリティ・ユニバーサルデザイン」「ウェブサイト運用・管理技術」などが必要です。

 ⑥エンジニア/プログラマ
上記以外にデジタルシステムの実装やインフラ構築等を担う人材のことです。ソフトウェアだけでなく、ハードウェアを含めた知識が求められることもあります。

 デジタル人材に必要なスキルは、それぞれの専門家でなくてもDX推進担当者もある程度は身につけておく必要があります。また、デジタル活用のベースをつくる「デジタルリテラシー」をすべての社員が身につけておくことで、DX推進が進みやすくなるでしょう。

DX推進の力になる研修メニューのラインナップ

JMAでは、DXに役立つ研修メニューを「トランスフォーメーション」「デジタル」「デジタルリテラシー」の3分野で提供しています。

トランスフォーメーション系研修(デジタルを活かしたビジネスの変革を学ぶ)

経営層向け

「経営者・経営幹部のためのDX戦略実践力養成コース」

経営層として知っておくべきDXの知識を知り、DXの土台作りから学びます。ワークショップを通じて、自社の課題・戦略、DX推進に必要な人材の育成法などを体系的に学び、自社の「DX戦略」を策定するコースです。

https://solution.jma.or.jp/service/training/theme/dx/transformation02/

DX責任者・担当者向け

「DX戦略構想ワークショップ」

DX推進担当者は、事業全体を把握しながら的確な意思決定をしなくてはなりません。そこで、事業変革、企業の競争力向上を目的としたDXの本質やDX責任者としての役割をきちんと理解する必要があります。ワークショップを通じて、DX実現のために自社課題の洗い出し、実現したい姿と現状とのギャップを埋める施策を検討し、DX実現に向けたロードマップを作成します。経営層と現場のギャップを埋めるために、コミュニケーションのとれる体制作りも学びます。

https://solution.jma.or.jp/service/training/theme/dx/dx-leader/

「価値創出のためのDXプロジェクト推進セミナー」

DX推進担当者はデジタルの専門家ではなくても、全体の方向性や仕組みから運用まで企画・立案する能力が求められます。セミナーではDXのケーススタディを学びながら「デジタル価値のアイデアを創出する方法」「必要となる思考法の選択方法」「イノベーションを起こせる条件」を体得します。経営者層に「DX推進に必要なこと」を提言できる人材になることを身につける内容です。

https://solution.jma.or.jp/service/training/theme/dx/transformation03/

「DX推進のための変革リーダーシップ実践セミナー」

DXの目的はビジネスの変革です。変革を推進するためのリーダーシップを身につけるセミナーです。人が変化を拒むメカニズムを理解し、巻き込み力、チームの能力の引き出し方などを学びます。

https://solution.jma.or.jp/service/training/theme/dx/transformation04/

  「DX組織強化セミナー」

DXを推進するためには、DX人材を選抜・育成してDX組織を構築する必要があります。DX組織を強化するために、どのような戦略・アプローチするべきかを学びます。

https://solution.jma.or.jp/transformation05/


「RPAを活用した業務改善・業務効率セミナー」

一般的にDX推進は、デジタイゼーション(デジタル化)、デジタライゼーション(組織全体の業務フロー・プロセスのデジタル化)、DX(ビジネスの変革)へとシフトします。このセミナーでは、デジタイゼーションまたはデジタライゼーションにあたる部分、業務の自動化の手段であるRPAを学び、業務改善や業務効率化による「業務の生産性の高め方」を学びます。

https://solution.jma.or.jp/service/training/theme/dx/transformation06/

 

デジタル系研修(技術を学ぶ)

「ビジネスにつなげるデータサイエンス入門セミナー」

DX推進担当者やデータサイエンスに取り込みたい方、はじめて学ぶ方向けのセミナーです。データサイエンスに取り組むための課題設定力の向上を目指し、カスタマージャーニーとKPIツリーや、ケーススタディからデータ活用の流れの理解を目指します。

https://solution.jma.or.jp/service/training/theme/dx/science-engineering01/


「ビジネスアナリティクス入門セミナー」

データサイエンスに必要な課題設定の重要性を学びます。外部環境、競合環境、内部環境の分析を行い、課題設定力を高めるセミナーです。

https://solution.jma.or.jp/service/training/theme/dx/science-engineering02/


「プログラミング入門セミナー」

DX推進担当者に必要なデジタルスキルを身につける、プログラミング初心者に向けたセミナーです。データサイエンスにてよく使うプログラミングに慣れるため、実際に手を動かしながら、PythonR言語、SQLにてデータベースを学びます。

https://solution.jma.or.jp/science-engineering03/


「プログラミング基礎セミナー」

「プログラミング入門セミナー」を受講済の方に向けたセミナーです。プログラミング入門セミナーと同じPythonR言語、SQLのツールを使い、データハンドリングやデータの可視化、統計解析のライブラリや関数を使えるように実践に即した形で習得します。

https://solution.jma.or.jp/service/training/theme/dx/science-engineering04/


「データエンジニア育成研修(基礎・基本・応用編)」

DX推進担当者には、デジタルの専門分野にプラスして、洞察力や課題を発見し設定、企画を立案する「データエンジニアリング」のスキルが必要とされます。基礎・基本・応用編に分かれた「データエンジニア」を育成できる研修プログラムです。

https://solution.jma.or.jp/service/training/theme/dx/science-engineering05/

デジタルリテラシー研修(DX担当者だけでなく全社員が身につけておくべきリテラシー)

「思考系」

DX推進において、課題を発見し設定し、変革の対象を決めなくてはなりません。そして、組織を変革するために変革シナリオを策定し、DX推進に向けて具体的に企画を立案する力が求められます。そこで、「システム思考」「アート思考」「デザイン思考」「プログラミング的思考」などの思考法を体系的に学び、思考の幅を広げながら、チーム演習を通じて考え方をビジネスに応用するアプローチまで学んでいきます。

https://solution.jma.or.jp/service/training/theme/thinking/


「マインド系」

DXの主眼はあくまでも「ビジネスの変革」です。組織変革を促進するための3つのチェンジモデルを学び、ワークショップ形式で実践していきます。また人が変化を拒むメカニズムを理解しながら、DX推進担当者に必要な巻き込み力、組織の能力を引き出す力を高めます。

https://solution.jma.or.jp/service/training/theme/mind/


「デジタルナレッジ系」

DX推進には、現場への落とし込みがポイントとなります。DXITのトレンドを理解するだけでなく、基本的なデジタルリテラシーを身につけることは全社員に必要なことです。デジタルによって業務改善し生産性を向上させるために、人工知能のひとつの手法であるディープラーニングや、RPA(業務の自動化)を身につけておくことも重要です。

https://solution.jma.or.jp/service/training/theme/digital_knowledge/


「ITスキル・OAスキル系」

DXには、デジタイゼーション、デジタライゼーションが前段階として必要です。デジタイゼーション→デジタライゼーション→DXとスムーズに進めるためには、業務改善や生産性向上に向けて、ITスキル・OAスキル系の基礎や活用法を正しく習得する必要があります。

https://solution.jma.or.jp/service/training/theme/skills/

まとめ

DXに関してどんなスキルが必要かは、今、自社がどのような段階にあるかによっても変わるかもしれません。ここでご紹介した内容を参考に、研修内容を検討してみていただければ幸いです。

●関連情報

DX推進プログラム