失敗しない研修計画

失敗しない研修計画
「講師派遣型研修」を選ぶ理由
――研修手法別のメリット・デメリット

公開日:2022/03/11 更新日:2023/09/13

企業が行う研修には、「社内で企画して実施する」「講師を招いて実施する」「社外で開催される研修に社員を派遣する」などさまざま手法があります。ただ、それぞれの研修手法の名称にはやや曖昧なところもあり、たとえば一口に「社外研修」といっても、異なる手法の研修を指して使われている場合があります。ここでは、そうした用語について整理したうえで、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

「社内」か「社外」か

まずはそれぞれの研修を表す用語について、研修の主催者が社内か社外かに分けて見てみましょう。

①社内主催で行われる研修

社内で行われる研修については、一般的に「社内研修」あるいは「企業内研修」「インハウス研修」などと呼ばれます。なおここでの「社内で行われる」とは「自社の社員のみが参加する」という意味であり、物理的な開催場所は社内とは限りません。 

さらにこれらは、どこまでを自社で行うかによって次のように分けることができます。

内製研修

研修内容の組み立てや講師、受講者まで、すべてが社内のみで完結する場合にこのように呼びます。

講師派遣型研修

研修業者(JMAもここに含まれます)や教育機関、場合によっては講師個人に依頼し、講師派遣を受けたうえで、自社の社員だけが受講する形で行う研修のことです。研修内容については研修業者や講師と打ち合わせの上、基本時にはオーダーメイドで決定します。

②社外主催で行われる

社外で行われる研修、つまり自社の社員以外も含め広く多くの受講者が参加する研修は、一般に「社外研修」などと呼ばれます。「公開研修」「外部研修などと呼ばれる場合もあります。同じような立場の人に向け、一般的な内容を広く提供するもので、公開セミナーに近いイメージです。 JMAではこうした公開セミナーも提供しています。

 なお、これらの名称のなかには、同じ語が異なる意味で使われている場合もあるようです。どれが正しくどれが誤っているというわけではありませんが、話題にする際には、相手が別の意味で受け取る可能性があることに留意しておくとよいでしょう。

「企業内研修」の特徴とメリット・デメリット

企業内研修は、内製研修、講師派遣型研修いずれの場合も自由度が高く、基本的に自社の業務や育成課題に合わせて企画することになります。そのため、以下のようなメリットが考えられます。

企業内研修のメリット

社内での共通認識や風土を培うことができる

研修として必要事項を学ぶと同時に、参加者同士が意識を共有し、それぞれの職場に持ち帰ることになるため、経営側の意図を浸透させる効果が高くなります。とくに戦略・マーケティングの研修で実際の事業を題材に分析・議論するような場合や、育成や評価に関わる研修で、自社の人事制度に基づいて議論するような場合には、研修内容をすぐに業務に活かすことができます。

実施時期やかける時間を調整できる。

企業の年間スケジュールに合わせ、任意の時期に開催できます。社内的に重要な課題については時間をかけて行うなど、1つの研修にかける時間も自由に設定できます。

対象者が多い場合も一度に実施しやすい。

対象者が多くなる場合でも、時間差なく同内容の研修を提供することができます。

さらに、「内製研修」と「講師派遣型研修」に分けて考えると、下記のようなメリット・デメリットがあるといえるでしょう。

内製研修<メリット>

社内にしかない「知」を伝達できる

独自の自社技術や制度、風土など、外部の講師ではカバーできない内容を伝えることができます。

社内の縦の関係づくりができる

講師も社員が務めるため、講師役の社員と参加社員との関係の強化につながります。

講師に関するコストが発生しない

講師派遣料等の費用は当然ながら不要です。

<デメリット>

担当部署の負担が大きい

企画をはじめ準備、運営なども全て自前で行うことになるため、ある程度のノウハウや人的リソースが不可欠です。

講師派遣型研修<メリット>

質の高い企画、運営が期待できる

研修のプロフェッショナルが企画提案から行い、学習管理や運営のノウハウもあるため、より効果的な研修を実施することができます。準備に取れる期間が短い場合や、初めてオンライン研修を実施するなどの場合も安心して臨めるでしょう。

外部講師による情報提供が受けられる

派遣される講師は、専門性が高いだけでなく他企業での指導経験を持つ講師も多いため、そうした経験も踏まえた情報提供が期待できます。

<デメリット>

相応の費用が発生する

企画、運営、講師派遣等の費用が発生します。一方で内部の負担は軽減されるため、そのバランスを踏まえて検討する必要があります。

外部研修の特徴とメリット・デメリット

外部研修の場合、主催事業者の実施するプログラムに社員を派遣する形で参加します。このため、次のようなことが考えられます。

メリット

他企業の社員との交流が刺激となる

一つの研修に多くの企業から参加者が集まるため、同じような階層や、同じ課題を抱える他企業の社員と自然に交流が生まれ、参加者の視野の広がりが期待できます。

対象者が少なくても参加できる

階層別研修などの場合、社内で対象となる社員が少なく、自社でそのためだけに研修を行いにくい場合もありますが、外部研修なら1人単位から社員を参加させることができます。

比較的低予算で実施できる

参加費用は基本的に1人単位で発生するため、人数によっては低コストで研修が可能です。

デメリット

日程、内容等の自由度が低い

日程については主催者が决めた日時での参加となります。プログラム内容も予め決まっているため、学ぶ内容は一般的な範囲にとどまります。ただし、一般的な内容が学べればよい場合には有効活用できるでしょう。

研修効果の最大化を目指すなら「講師派遣型研修」

研修手法を考える際には、ここまで見てきたような内容を踏まえ、必要に応じて合理的な手法を選択していくことになります。講師派遣型の最大のメリットは、自社ならではの課題を伝えた上で、プロのアドバイスを受けながらオーダーメイドで研修内容を組み立てられること。さらに学習管理や研修前後のフォローを通じ、研修効果をより確かなものにすることが可能です。

とくに、社内に研修運営ノウハウが不足している場合や、自社向けにカスタマイズした研修を実施したい場合には、講師派遣型研修が効果的です。実際に講師派遣型研修を導入した企業様の声なども参考に、ぜひ一度、検討してみてください。

●関連情報

JMAの「講師派遣型研修」導入の流れ
導入事例:サントリー食品インターナショナル様
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