コラムcolumn

今どき研修テーマ&メソッド図鑑

社員全員で学ぶSDGs

SDGsというテーマは日々の業務とのつながりが見えにくいこともあり、社内で取り組みを浸透させるのは簡単なことではありません。今回はSDGsに取り組む意義を従業員に感じてもらい、積極的に学んでもらえる方法をご紹介します。

SDGS

SDGsの意味と企業が取り組む意義

SDGsはSustainable Development Goalsの省略で、「持続可能な開発目標」という意味です。持続可能な開発目標とは、「社会・経済・環境」において山積する現代の課題を、技術や教育などによって持続可能なものへと変革することを目指すものです。

SDGsは2015年の国連総会で採択されました。これによって193の加盟国は、政府・自治体、企業、国民、非営利団体に至るすべての人々が課題と向き合い、目標の実現に向けて取り組む必要があります。

その開発目標は、「誰一人取り残さない」を理念に17項目にのぼります。さらに目標ごとに、具体的な施策が169設けられています。

SDGsは「きれいごと」「建前」として捉えがちでしたが、近年はSDGsに積極的に取組む企業が増えています。その理由は、いざ取り組んでみると「経営のリスク回避」「投資やユーザーロイヤリティなど取引先・ステークホルダーの支持獲得」「自社の優位性創出」「SDGs関連のビジネス創出」など、取り組む意義があることがわかったためです。

社内に浸透させるには何が必要か

全部門・全従業員に主体的に取り組んでもらうためには、SDGs を“自分ごと”として捉え、取り組みに“納得”してもらうことが大事です。具体的には、自社ならではの取り組む動機や狙いなどの「目的を明確化」することです。

 目的を明確にする手順の参考として、下記のようなことを行うとよいでしょう。

  • バリューチェーン全体を通して、SDGs に関する現在と将来の“プラス・マイナイス”の影響を評価し、優先的に取り組む課題を決める。
  • 決めた課題を通じて、17の目標の中から、対象にする目標を決める。課題は「経済・社会・環境」すべてに網羅する内容であること。
  • 目標が決まったら、全ての部門・従業員に、事業として取り組む根拠を明確に伝える。
  • 次いで、目標達成において全ての部門・従業員が果たす役割も具体的にして伝える。
  • 部門・従業員に対して、特別報償を設けるなど、目標の達成度の審査や報酬体系をつくる。

こうして「目的の明確化」ができたら、次は実践への準備になる「自社の分析」を行う作業に進むとよいでしょう。

なお、従業員によくありがちなアクションに対して、SDGsに取り組む意義を感じてもらえる助けになるコメント例をご紹介します。

【コメント例】

(従業員)「知ってる、知ってる、社会貢献ってやつでしょ!」
(推進担当)漠然とした貢献でなく、戦略的な社会貢献が求められます。

 (従業員)「世の中にいいことする、コストセンターだよね!」
(推進担当)費用として見るのではなく、将来への投資です。

 (従業員)「現実は甘くない、そんなものでは食っていけないんだよ」
(推進担当)企業が社会を発展させるのでなく、社会が企業を支える。

 (従業員)「社会が大事なのはわかる、でも今期の目標達成で忙しいんだ」
(推進担当)ただ投資家や顧客は、その姿勢をどう評価するでしょう。

引用元:一般社団法人日本能率協会

SDGsについて学ぶ切り口

SDGsを学ぶ研修で、効果的に学べるテーマをいくつかご紹介します。

基礎的な内容を学ぶ

SDGsは17の目標、169のターゲット、さらにその達成状況を測るための指標が232もあります。実際、「目標の数が多すぎて覚えられない」という声があるほどのボリュームです。そのため今からでも「SDGsとは何か、なぜ企業も取り組む必要があるのか」という基礎的な内容を学ぶ意義はあります。

事例を学ぶ

SDGsの取り組みがなかなか進まない企業がある一方で、いち早く取り組んで経営的にメリットを出している企業も数多くあります。他社の取り組み事例を詳しく学べば、SDGsに関心を持つ従業員が増えるでしょう。

社内浸透のための推進策を学ぶ

社内浸透の早道は、SDGsを推進する専門のチームを設け、経営陣とともに「推進策」を学ぶことです。計画的に進めるハウツーがわかり、SDGsにかかるコストの無駄や従業員の業務負担を減らすことにつながるはずです。

自社事業とSDGsがどうつながるのかを学ぶ

SDGsの基礎的な内容を学ぶと共に、自社事業とのつながりを学ぶ機会を設けるとよいでしょう。従業員は自分の業務を通して、目標達成の具体的な役割が想像できるようになります。

SDGsを活用した新規ビジネス開発プロセスを学ぶ

SDGsは新しいビジネスを創出する機会も孕んでいます。SDGsを絡めた新規ビジネスの開発や、既存の自社事業とSDGsの併存を学ぶのもおすすめです。

SDGsをどう学ぶか

SDGsは世界共通の取り組みですが、学び方や取り組み方については、特に定まったものはありません。「アジェンダ2030」でも、企業の実情に応じてカスタマイズすることを認めています。

そこで学び方については、講師派遣型研修(※)を利用し、「どのようなテーマ」が自社の従業員に効果的なのかを、担当講師とで相談しながら進めるとよいでしょう。特に「自社事業とSDGsのつながり」や「SDGsを活用した新規ビジネス開発」をテーマにした研修には、自社の実情に合った内容でないと、具体的な施策案につなげることが難しくなります。専門の講師に依頼すれば、オーダーメイドのプログラムを提供してもらえるのでおすすめです。

JMA SDGsサービス
https://jmaqa.jma.or.jp/sdgs/roadmap.html

まとめ

2030年というSDGsの達成期限まで8年を切りました。従業員にSDGsに取り組む意義を感じてもらえるよう、自社が取り組む“目的の明確化”を、速やかに行うことをおすすめします。