コラムcolumn

5分でわかるビジネストレンドワード

5分でわかるビジネストレンドワード 「自律型人材」はどうすれば育成できるのか?

少子高齢化や人口減少など、さまざまな問題を抱えた日本企業では、外部環境の変化に対応できる「自律型人材」の育成に注目が高まっています。そこで、企業が「自律型人材」を育成するメリットや育成方法について解説します。

「自律型人材」とはどのような人材のことなのか?

「自律型人材を育成したい」「自律型人材が欲しい」など、さまざまな企業で自律型人材を求める声が上がっています。では自律型人材とはどのような人材なのでしょうか。

自律型人材を一言で表すと、「指示を待つのではなく、自らの意思や価値観にもとづいて考え、判断・行動して成果を出せる人材」のことです。ただし当然ながら、自分の好き勝手に仕事を進めるのではなく、企業の経営戦略やビジョンに沿って行動することが求められます。

  • 業務に対して積極的に改善しようと動いている
  • 自分の課題だけでなく、組織全体の課題に対して率先して取り組んでいる
  • 新規事業を生み出すために積極的に挑戦している
  • 取り組んだことは自ら責任を持ってやり遂げる
  • 自分の信念や考えを持ち、まわりに流されず仕事をやりきる

以上のように行動している人材は「自律型人材」に当てはまりますが、厳密には企業ごとに人材に求める定義が異なるはずです。

企業は、「自律型人材」の育成を考える前に、まずは「自社にとっての自律型人材とはどういった人物なのか」と定義や設定をしていかなくてはなりません。

なぜ、こんなにも「自律型人材」が話題になっているのか?

昨今、企業で「自律型人材」が求められるようになっているのには3つの大きな理由があります。

VUCA時代において、柔軟で迅速な判断・行動が求められている

ビジネスを取り巻く環境の変化や感染症の流行など、企業が求められる行動も常に変化しています。ビジネスにおいても正解や答えがないものが多く、変化に対して責任者にその都度判断を仰ぐのではなく、それぞれの現場において臨機応変にスピード感をもって判断・行動していく人材が必要とされています。

ジョブ型雇用が広がり、専門性を磨く人材を求める人事制度に変化している

日本の雇用形態の変化も理由の一つです。これまでは、企業が社員に割り当てた仕事を通じて総合的なスキルを身につけさせる「メンバーシップ型」雇用が主流でしたが、現在は、職務を定義して、特化したスキルを求める「ジョブ型」雇用が広がりつつあります。社員がより専門性のあるスキルを高めるためには、自分自身で学び、成長する姿勢が必要です。

働き方が多様化している

コロナ禍の影響もあって働き方がより多様化しています。今後も、場合によっては副業・兼業などにより、人事労務管理はますます複雑化していくでしょう。マネジャーやリーダーが労務管理に追われないためにもメンバーの自己管理が必要ですし、働く場所や時間はさまざまであっても各自が自主的に業務を遂行していく姿勢が求められています。

「自律型人材」を育成するための6つのポイント

「自律型人材」の育成のために必要なポイントを紹介します

1.主体的に課題解決に向かい、周囲を巻き込む力を育成する

組織全体の目指す方向を理解し、課題を把握する力や、課題を解決していくスキル開発も重要なポイントです。上司やメンバー・関係者を巻き込み“協働”を引き出す行動を取れるよう、役割期待に気づき、手法を学ぶ機会があると良いでしょう。

2.会社の方針を深く理解させる

「自律型人材」は、企業の使命に共感し、経営戦略の実現につながる行動を現場レベルでも自ら考えて動ける存在です。その育成には、経営理念やビジョンなどを社員が自分事として理解するプロセスは欠かせません。

3.研修と実践を関連づける

自律型人材の育成には、Off-JTの研修だけではなく、アウトプットする実践の場も大きく影響します。業務の中でも社内公募制度や、部門内での積極的な業務アサインなど、チャレンジしやすい環境づくりが有効です。また、業務に必要な知識やスキル・見識を広げるための個人の自発的学習に応えられる育成制度(Eラーニング等)も重要です。

4.管理者の組織開発スキル・メンバー育成スキルを向上させる

社員が信念を持って行動や発言をするためには、行動や発言を否定されることなく、失敗を恐れないで挑戦できるような「心理的安全性」のある環境づくりも問われます。部下のチャレンジを奨励し、動機づけ、適切にフィードバックする管理職のスキルも必要です。

5.過去の成功体験にとらわれないマインドを重視する

ビジネス環境が大きく変化しているため、管理者といえども答えを持っていない時代になっています。そこで、育成対象者には前例を疑う発想が求められます。過去の成功体験にとらわれない変革マインドが必要です。

6.自社にとっての自律型人材を定義する

前述のように、自律型人材を社内で育成しようとしたときには、「自社にとっての自律型人材とはどういった人物なのか」を具体的に定義することが欠かせません。「自律型人材」にもさまざまな要素がある中で、今後自社を発展させていくのは特にどのような価値観を持つ人なのか、どのようなスキルと行動にフォーカスするべきなのかを明確化しましょう。既に社内にいる人物をモデルとすることも有効です。

自律型人材育成に関連する研修プログラムの例

巻き込み仕事力向上
https://jma-solution.com/hatarakikatakaikaku/suishin_11/

フォロワーシップ開発
https://jma-solution.com/service/training/theme/leadership/leadership01/ 

自律型人材が育つ組織づくりのための管理職・リーダー向け研修の例

目標達成のためのハイパフォーマンスチームのつくり方
https://jma-solution.com/service/training/theme/teambuilding/teambuilding03/

職場力向上のための組織風土改革
https://jma-solution.com/service/training/theme/skill/skill3_3/

オンラインで学ぶ「解決志向型の問題解決力養成セミナー 」
https://jma-solution.com/kaiketsuryoku/

「自律型人材」を育成すると会社にとってどんなメリットがあるのか

自律型人材を育成することで会社には主に4つのメリットがあります。

イノベーションが起きやすくなる

自律型人材が自らの意思や価値観にもとづいて考えることで、今までにない多様なアイデアが生まれやすくなり、イノベーションが起きる可能性が高まるでしょう。

管理職の負担が減る

自律型人材であれば業務上でトラブルや問題が起きた際にも、自ら考え行動を起こします。そうすることで管理職の負担が減り、管理職は本来時間をかけるべき仕事に集中できるようになります。

業務の効率化につながる

現場で起こる問題の解決や、仕事の質の向上・効率化のためにメンバーが試行錯誤しそれを共有する積み重ねが、組織全体の生産性向上につながっていきます。

さまざまな変化に対応しやすい

企業における働き方や、企業の置かれる市場環境は今後も変化していくでしょう。自律型人材であれば、こうしたさまざまな変化に対しても、事細かな指示がなくても自ら考え行動し、業務を遂行します。

 

ビジネスを取り巻く環境の変化に対して、自律型人材の需要は今度も高まり続けるでしょう。社員が自律的な存在であることは会社だけでなく、社員自身にとっても大きなメリットがあります。そんな自律型人材育成を育成するためにも、まずは自社の求める人材について、定義作りから向き合っていくことが重要です。