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「まだらテレワーク」環境の問題点とその乗り越え方

コロナウイルス感染症対策として、多くの企業がテレワークを導入しました。現在では、完全なテレワークではなく、職場で「テレワーカー」と「出社者」が混在している企業も多く、この状態が「まだらテレワーク」とも呼ばれています。こうした状態は今後、ニューノーマルな働き方として一般化していくとも言われています。ここではそんな「まだらテレワーク」環境の問題点とその乗り越え方をみていきましょう。

まだらテレワーク

「まだらテレワーク」とはどういう状態のことか?

職場でテレワーカーと出社者が混在している状態が「まだらテレワーク」と呼ばれています。テレワークの導入については、戦略的にテレワーカーと出社を組み合わせている企業と、企業としての具体的な方針がなく、マネージャーや本人に出社の判断を任せている企業がありますが、問題が起きやすい「まだらテレワーク」は主に後者の状態です。

テレワーク環境ではどんなことが問題になるか

2020年3月に株式会社パーソル総合研究所が、テレワーカーを対象に「テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査」を実施しました。まずはここで明らかにされた問題点をみていきましょう。

パーソル総合研究所「テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査」
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/research/activity/data/telework-anxiety.html

調査によれば、問題点の中には以下のようなテレワーク特有の不安や孤独感があります。

テレワーカー側の不安

  • 相手の気持ちが察しにくく不安
  • まわりから仕事をさぼっていると思われていないか不安

テレワーカーの上司の不安

  • 部下の業務の進歩状態がわかりづらく不安
  • 相手の気持ちが察しにくく不安

これらの不安とともに、テレワークの頻度が増えるにつれ孤独感が高くなることが示されています。

テレワークの問題は、「まだらテレワーク時」に増幅される

同調査では「まだらテレワーク」時の問題点について、以下のようなことが指摘されています。

・まだらテレワーク環境では、テレワーカーに対する出社者の疑問・不満が高くなる

職場におけるテレワーカーの比率が高くなるにつれ、出社者の疑問・不満が高まります。会社でしかできない雑務などは出社者に割り振られる傾向が高いため、業務量の差により出社者の不平不満に繋がりやすいようです。

・テレワーカーが2~3割のときに、テレワーカー自身の不安感や孤独感が強まる

テレワーカーが2〜3割のときにテレワーカーの不安感や孤独感が最も高くなることがわかっています。出社者同士が会議で盛り上がったり、出社者が優先的に物事を決めたりすることで、テレワーカーは置いていかれたという気持ちになり不安感や孤独感が強まると考えられます。

・テレワーカーの不安感が大きいと、転職リスクが高まる

テレワーカーの不安感の中に「まわりから仕事をさぼっていると思われていないか」や「出社者と比べて上司から公平・公正に評価してもらえるか」という評価面での不安がある場合には、転職の意欲が高まる傾向にあります。

まだらテレワーク時になぜ不安が起こるのか

まだらテレワーク時にテレワーカーが不安からストレスが溜まりやすいのは、以下のようなことが原因と考えられます。

・コミュニケーションがとりにくいこと

オフィス勤務の時のように、毎日顔を合わせる機会が少なくなるため、コミュニケーションがとりにくくなります。さらに、オンラインでのやり取りは対面と比べ相手の気持ちが察しにくかったり、タイムラグが生まれたりして不安が生まれやすいのです。

・テレワーカーへの評価基準が曖昧なこと

テレワークでは、部下の働きぶりや仕事の過程を確認しづらくなるため、入ってくる情報が部分的になり、これまでと同じような評価がしづらく、評価基準も曖昧になりがちです。そのため、「テレワークにおいて適正な評価が受けられないのでは」と不安になることがあります。

まだらテレワーク環境で不安を生まないマネジメントのポイント

こうした問題を踏まえ、テレワーカーや出社者に不安感や孤独感をおぼえさせないためのマネジメントのポイントをまとめます。

・コミュニケーションを増やす

コミュニケーション量を保つために、毎日時間を決めてコミュニケーションをとるとよいでしょう。チャットツールを活用し、雑談する時間もあえて設けることがポイントです。また、出社者だけに情報が偏らないように、チャットや社内のSNSなどで情報の共有も行いましょう。オンラインコミュニケーションをとる際には、リアクションを大きめにするなどルールを設けるなど、マネジメント側からの働きかけも有効です。

また、直接部下の働きぶりが見えないため、マネージャーには部下のことを観察する能力が求められます。定期的に部下と1対1のミーティングを行うなどして、仕事の進捗確認や課題を見つけフォローする体制作りを行い、情報を収集しましょう。

・適切な評価基準をつくる

リモートワーク下では、社員の働きぶりが確認できないため、人事評価が難しいと言われています。成果と過程の評価のバランスを取るために、明確な目標設定と定期的な面談をしながら、適切な評価基準を作りましょう。

・出社者のケアもする

出社者は会社でしかできない雑務などを任されることが多く、業務量に差が生まれやすくなります。マネージャーは出社者への気遣いなど、フォローを心がけましょう。

・テレワークマネジメントについての研修を行う

テレワーク環境では従来型のマネジメントがうまくいかないことがあります。テレワーク時において有効なマネジメント法やマネージャーのもつべき意識など、研修を通じて学ぶことも有効です。

「まだらテレワーク」環境では、テレワーカー、出社者ともに、マネジメント側に「見てもらえている感」を与えることが重要になります。問題を生まないためには、テレワーク環境特有のマネジメントについて、今一度考えておく必要がありそうです。

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