コラムcolumn

やりっぱなしにしない!研修活用術
研修前編① 研修参加者をやる気にさせれば勝ち!そのポイントとは?

「会社の成長のために」とせっかく時間と費用をかけて研修の準備〜実施したのにも関わらず・・研修後に「研修の効果が感じられない」「何のために研修に参加したのか分からない」などという現場からの声を耳にして、日々頭を悩ませている研修担当者の方もいらっしゃるかもしれません。

研修を成功させるためにまず考えておきたいのは、研修は研修当日だけが重要なのではなく、研修前の取り組みが大切だということです。とくに重要なのは、研修参加者をやる気にさせること。そのために研修前に準備しておきたいポイントを紹介します。

自社のキャリアパスをまず明らかにし、それに沿った研修内容を考える

研修担当者が研修を企画する際にポイントとなるのは「自社にあった研修内容」であるかどうかということです。会社の成長に向けて、「どんな人材が必要なのか」「どんな人材が足りていないのか」をまず考え、社員にその人材像に近づいてもらうための打ち手として「どんな研修が有効なのか」「人材の成長のためにはどのような研修が必要なのか」と研修内容を考えないといけません。必要とされるのは「人材像」と「キャリアパス」の明確化です。

キャリアパスとは、英語で「career=仕事・経歴」、「path=道」と表すように「職歴を積むための道」を意味します。つまり、企業の中で従業員がどんな経験を積み、どのような知識・スキルを身につけると、目標とする職位や職務に向かうことができるのかという道筋のことです。

研修担当者が各階層や職種における人材像とキャリアパスを明確にイメージすることで、キャリア構築を支援する施策として必要な研修や、その目的が定まります。研修の目的が決まると、参加者の選定もスムーズになります。

もし、会社の求める人材像とキャリアパスが明確に定まっていないならば、そこを明確にしていくことも人事・研修担当者の役割です。経営戦略・事業戦略に沿った人材像を描き、企画する研修が育成プロセスのどの段階に位置するのかを明らかにし、個々の研修の目的と企画を定めていく、という流れで進めていくのがよいでしょう。

「なぜあなたに/この研修に参加してほしいのか」を言葉にして伝える

研修参加者に対して事前に求める人材像とキャリアパスを明確に示し、参加を促すことも重要なポイントです。会社が従業員にキャリアパスを明確にする人事制度をキャリアパス制度と言いますが、キャリアパスを従業員に示すことで、どんな「業務経験やスキル」を身につけると、どんなキャリアを積むことができるのかと、その会社においての将来像を描くことができ、目標設定、モチベーションの向上にも繋がります。逆の言い方をすると、キャリアパスが明確でないと離職に繋がることもあるのです。

また、「研修参加者に研修の目的が伝わっていなかった」ということが原因で研修が失敗に終わることがあります。そのため、研修前には、その人に求める階層・職務における人材像とキャリアパスの中での研修の位置づけを明確にし、「あなたには将来〜という役割・立場になって欲しいから、そのためにこの研修に参加してほしい」と言葉にして伝えることが重要です。

ただ「リーダーになったタイミングだから研修に参加する」というだけの意識で研修に参加するのと、「リーダーという役割に必要な具体的なスキル・考え方を必要なことを身につけるために研修に参加する」と意識して研修に参加するのでは参加の動機づけに大きく差が出ます。研修を「意味のある研修」にするために明確に言葉で目的を伝えましょう。

学ぶ内容だけでなく、組み合わせや順序も考える

研修には、階層別、職種別などさまざまなコンテンツがあります。流行りの研修、他社で人気の研修が「自社にとって良い研修か」というとそうとは限りません。自社の組織・人事課題との合致や、参加者にとって有効な学び方、知識やスキルを身につけるタイミングや研修の組み合わせ方が重要です。

他社でよく聞くからといって、中堅社員に営業スキルの研修を実施することを思いついても、真の課題が上司の部下育成力であれば有効とは言えません。また、早い段階から戦略的思考を持つ人材が必要なのであれば、一般的とは言えなくても、若手・中堅社員に合わせた事業戦略の研修を設けるのもよいかもしれません。

研修担当者は、数年間に及ぶ研修体系を企画すると思いますが、人材像や業務経験と照らして、どんなタイミングで何を学ぶのか、どんな組み合わせがいいのか考えて企画するといいでしょう。

どのような研修形式でも、注意すべき点は同じ

人材育成施策にはさまざまな形式があります。社内研修や社外研修。本人が受けたいものを選べる選択型研修、Eラーニング・通信教育・公的資格取得など種類もさまざまです。

どのような形式で実施するとしても、ここまでの話のように、求める人材像とキャリアパスが明確になっていることが前提です。例えば、公的資格取得に向けても、仕事をしながら資格を取ることは大変なことです。ただ推奨する資格を並べるだけではなく、「なぜ今のキャリアにその資格が必要なのか」、「資格を取ると社外を含めてどのように評価され、エンプロイアビリティにつながるのか」「自社業務にとってその資格が必要な理由」など明確に伝えることで、資格取得に向けての向き合い方が変わります。

どんな形式の育成施策であっても、求める人材像とキャリアパスを明確にし、日頃からそれが具体的な言葉で理解できるように示し、「対象者の成長意欲を高めること」が育成施策の成功の土台になります。

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