今後の人財育成における展望 日本ハムキャリアコンサルティングインタビューVol.4

経営幹部育成を目的に、様々な施策を実施されているニッポンハムグループ。日本能率協会(JMA)はその一つである部長層向けの「経営セミナー」をご支援させていただいています。経営幹部育成をスタートさせた経緯や、経営者に必要な力、今後の展望について、ニッポンハムグループの教育研修をとりまとめている日本ハムキャリアコンサルティングの代表取締役 今村圭史様にお話を伺いました。聞き手はJMAの水沼勉です。(本文中敬称略)

今後の人財育成における展望

(水沼)
今村さんが考える、経営セミナーの今後の展望をお聞かせください。

(今村)
今会社の中でも、「経営セミナーは選ばれた人が受ける」いう認知があります。経営者を育成するという目的からして、これからも受講生の中からどんどん役員を輩出していきたいと考えています。

(水沼)
なるほど、目的はそこですものね。実際たくさんの役員が生まれていることは、成果がでていると評価できるのではないでしょうか。では、経営セミナーに限らず、人財育成上の課題をどう捉えていますか?聞かせてください。

(今村)
まず、若い層には「前に踏み出す力」を身につけてほしいと感じます。これは経済産業省の提唱する『人生100年時代の社会人基礎力』と同じです。元来、前に踏み出す力を持っている人は良いのですが、最近の若い層では、それが少なくなっていると感じています。どちらかというと横並びで「誰か出たら僕も出る」のような、「一緒に」というマインドが多いと感じています。前に踏み出す力を鍛えないと、日本人は世界では遅れていくのかなと、漠然と考えています。

そして、若年層に限らず、先ほど言った人間力が重要だと感じます。「失敗したらごめんなさい」など、すぐ言える人が素直さと、前に踏み出す力を併せ持つ人財を育成したいと考えています。幹部の育成に視点を移しても、「素直」はキーワードかもしれません。加齢と共に皆プライドが出てきますよね。良いプライドだったら良いのですが、若干偏屈なプライドもあったりする、そういったものが出てこないような人財を育成したいです。
私達は採用業務も手掛けていますが、やはり謝れない人はいます。若いときから変なプライドがある人はいます。「すみません」と言ったら済むものを、他責にして責任転嫁をしてしまう。自責で考えれば「何が悪かったんだろう」と考えることで成長することができます。

(水沼)
「いかに自責で考えられるか」、重要なキーワードですね。

(今村)
基本はそうだと思います。良い人間性がなければ、良い経営ができないと考えています。

変わり者が歴史をつくるなどとよく言われます。他社の経営者も若干いびつな人が多いかもしれません。しかし、よくよく見ると、経営者には人間力が備わっていると感じています。後はスピード感。

この立場になって一番私自身が変わったと思うのは、せっかちになったことです。多くの事を決断しなければならないし、色々な情報を早く知りたいと思うことが多くなりました。

(水沼)
決断する事案が増えれば、一つにかける意思決定の時間を短くすることが必要ですよね。

(今村)
ある経営者の受け売りですが、「6割できたらGo」です。
若い層が顕著なのですが、怒られたくもないし、人に良く見られたいから、資料を作る際は細かいところまで作り込んできます。しかし、あまり作り込んでも、読める時間は限られていますし、あまり細かいと見たくなくなってきます。ですから6割ぐらいでよいと考えています。結果にあまり遜色ありません。正直、上司も忙しいので、たくさんは読めませんから。

(水沼)
最後に今村さんの人財育成のポリシーを教えてくださいという質問をしようとしたのですが、ここまでのお話の中に全て含まれているという感じですね。

(今村)
概ねそうですね。
僕は、リーダーシップには色々な形があると考えています。高度成長期には「俺についてこい」のようなトップダウン型のリーダーシップが多かったかもしれませんが、今はダイバーシティというほどですから、人それぞれ違ったリーダーシップの発揮の仕方があると思います。ですから、自分の強みを認識して、自分に合ったリーダーシップを発揮すれば良いと考えています。

色々なタイプの経営者がいて良いと思いますが、最終的には、やはり部下が「ついていこう」と思えるリーダーであることが重要だと考えます。「やってあげたいな」「一緒にやりたいな」等、最終的にそこに結び付ければ良いのでしょうね。

(水沼)
経営者はこうだというのではなくて、いろいろなタイプの経営者を育成しいということですよね。

(今村)
そうです。全てが怖い経営者だったら、辛いでしょう。
そういうのが私も嫌いだし、そうはできません。うちの会社は私が使い走り(ぱしり)のようなことをやっていますよ。朝机を拭いたりしています。やめては負けだと思って継続していたら、最近机をふく人が増えてきました。

(水沼)
素晴らしい。行動についてきていますよね。

(今村)
やり方は色々あります。強要はしていません。「凡事徹底」。1回決めたらずっとやりましょうと。人知れず、朝机を拭いていたら、誰かがそっと見ているかもしれませんね。そういうことは続けたいと思っています。

(水沼)
今村さんらしいリーダーシップの発揮の仕方ですね。
本日はありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。

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