講師インタビュー リーダーシップの学びに『感動』を vol.3

研修の最前線で活躍する講師のインタビューを交えながら、様々な人材育成テーマについて考えるシリーズ。「リーダーシップ」をテーマに中島克紀氏にお話を聞きます。

vol.3 「人間性重視」「実践重視」のリーダーシップ開発

実践心理学を活用した人間性重視のリーダシップ開発とは?

―リーダーシップ開発の普及を進めていくなかで、2000年代以降はどのような展開があったのでしょうか?

(中島)
リーダーシップ開発の普及を始めて10年たった頃、私は2000年に立命館大学院の客員教授に就任しました。約4年間やるのですが、その時に強烈に記憶しているのは、アメリカから持ちこんだ理論を理論通り伝えても伝わらないということでした。受け手の社会人大学院生からは「それが何?」という反応があった。何故だと悩んだ時期でしたね。

そしてわかったこと。リーダーシップは誰が相手なのかっていうと人間ですよね。
マネジメントは対象がお金であっても情報であっても勿論人間が関与するのだけれども、リーダーシップはダイレクトに人間を対象として関わる

NLPだから、頭で理解するのとは違う、対人スキルを高める実践的アプローチが必要だということを強く認識しました。それで実践心理学といわれる『NLP』(ニューロ・リングウィスティック・プログラム ※右図)というものを私自身が学ぶことにしました。

サンフランシスコのNLPコーチを育成する研究所のコースを、2年間の間日本から行ったり来たりしながら受講して再度勉強しましたね。そこで、2000年代以降「人間は脳を活用する」という時代に入ったのだと理解しました。『脳機能を活性化するようなリーダーシップ』ということを真剣に問いかけるようになったのですよ。

例えば、1990年代の10年間は、「信頼関係を作りましょう」、そこで終わっていたのです。
でもその後の実践心理学NLPのアプローチでは、人間の身体・脳機能の仕組みを理解したうえで有効な働きかけを抽出するものですから、「信頼関係を作るには具体的にはどんな言葉がけ・働きかけをするのか」という心理学の領域に入っていきます。その違いは、大きいと思いますね。

リーダーシップ開発の新たな課題―継続のための支援

―”生もの”である人間に対して本当に影響力を発揮するにはどうするのか、ということに踏み込んだ、ということですね。NLPを活用したリーダーシップトレーニングを実施してこられて、変化はありましたか?

(中島)
2000年以降は、NLPを活用した「人間力強化のためのリーダーシップ」というセミナーを展開してきて、多くのお客様に参加いただきました。
「傾聴力」とは具体的にどうするのかとか、「ビジョンを作る」とは具体的にどうするのかとか、それをどう表現するのかということを伝えてきました。

やってみて新たに見えてきたことは、セミナーの場では感動し行動に移そうと決意したけれども、「その後の継続が簡単ではない」という課題です。

IMG_7716私のどのプログラムもすごく盛り上がったけれど、1週間経つと少しずつ忘れていってしまったりとか、テキストもそのまましまい込んでしまった、という人も多かったですね。これは人材育成サービスの会社の反省としてずっと続いていることです。

継続・実践のためにフォローアップをしましょうとか、複数の単位を設定して長期的なコースにしましょう、といった工夫も始まりました。

特に次世代リーダーに関しては、「ジュニアビジネスリーダーコース」という若手向けの長期コースを開発し、各社内の「メンター」という役割の方に介入いただいて、継続するような仕組みを作りました。2階層ぐらい上位の方がメンターで、30代の若手の参加者を鍛えるというコンセプトでスタートしました。
あれぐらい社内の方に関わってもらう長期公開型コースは、当時なかったと思います。

メンタリングとかコーチングなど、育成支援者の存在が必要だという気運が日本に高まった時でした。ですから非常にマッチしたということになります。

~つづく~

◆中島 克紀(なかじま かつのり)プロフィール◆

一般社団法人日本能率協会 エキスパート
「TheLeadershipChallenge」認定マスター
社団法人日本能率協会に入職後、マネジメントとリーダーシップの機能、チーム変革の研究と理論・実践のバランスを追及するセミナー開発に従事。アメリカの財団法人との次世代リーダープログラム共同開発後、企業・自治体での管理者教育に従事。

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