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今の時代に求められるリーダーを育てるためには 講師インタビュー(4)

公開日:2017/07/06 更新日:2020/07/08

研修の最前線で活躍する講師へのインタビューを通じて、人材育成について考えるシリーズ。

企業を取り巻く環境が劇的に変化している今、リーダーに求められる資質も変化しています。どのような資質が求められ、企業はどのようにサポートをしていくべきなのか。HCD(Human Capital Development)のマツイ エリザベス氏と川島民子氏にお話を伺いました。

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4.リーダーはWalk the talk

―リーダーはどのようにするべきなんでしょうか?

HCD3

 

<エリ>

上級管理職の方が社員に要求していること、チームに要求していることを、まずはリーダー自身が実行することでしょうね。英語ではwalk the talkと言いますが、まずは有言実行です。上から目線で「スタッフにああしろこうしろ」と指示だけする時代ではもうありません。ちゃんと自分が模範になって、企業の成長のためなら「なんでもするぞ」と行動する。そういうことが要求されているのではないでしょうか。

―リーダーがまず動くことが、必要だということですね。

 

<エリ>

そうですね。リーダーはチームのスタッフが結果を出しやすく導くのが役割だと思います。ですが、場合によってはリーダーも自分が現場に出ていくことも必要です。自分が結果を作らなければうまく回っていかない場合は、プレイングマネージャーになる。そういう柔軟性をリーダーは持っていないとまずいと思いますね。

<川島>

自分が動くようなリーダーでないと、部下はついていかないですよね。

<エリ>

今は「私の背中を見て育ちなさい」という時代ではなくて、教えることも必要です。時々は、実際にやって見せてあげなければいけない。だから、今の時代のリーダーは複数の役割が必要になる。柔軟性が要求されて、しかも傲慢になってはいけない。偉そうにしてはいけない。そういう時代ですよね。パワフルで、しかも上から目線では駄目です。

そういう意味では、リーダーって大変かもしれませんね。上からのプレッシャー、下からのプレッシャー、両方からの板ばさみがあります。しかも、グローバルな認識を持たなければいけない。ビジネスのグローバルスタンダードも要求されています。

リーダーに求められることは、当然、未来に何をしていきたいかという夢やビジョンにコミットする勇気。一人では結果を作りだすことは難しいですから、正直に周りのスタッフに協力や支援を求め、スタッフとともに結果をつくっていくということ。そういうことが求められていると思います。

 

部下が会社に満足しているか、社員満足度が問われていますよね。自分の直属の上司が、自分のことを思いやっているかということが、社員満足度に大きく影響します。入社するときは、企業の規模などで会社を選ぶのかもしれませんが、退社するときは直属の上司を理由に退職することが多いわけです。「私の上司は、私のことを考えてくれていない」と。「この仕事を続けていても、私の成長の術はない」と思う場合もあります。リーダーはスタッフを支援できるような素質を持っていないといけません。

 

~つづく4/5~

第1回 リーダーシップ研修で可能性を紐解く

第2回 企業が直面する課題

第3回 「変革」には「認識」から

第5回 リーダーに求められる「人間力」