成果物の設定|経営幹部育成のSTEPをつかむ!『リーダー育成読本』Vol.5

公開日:2015/11/06 更新日:2023/09/13

「これから経営幹部育成研修の実施を考えている方」、「経営幹部育成研修を実施しているが、どうもうまくいっていないと感じている方」へ・・・
JMAのご支援の蓄積から、「経営幹部育成研修の設計」をする上でベースとなる考え方を皆様にお伝えしていくコラムです。

STEP4 成果物の指定

経営幹部育成研修の成果物設定の視点

研修成果物を設定する際は、2つの視点で検討すると良いでしょう。

①成果物を何にするか、 ②成果物をどう発表するか
①の視点では、「経営課題解決案」「新規事業案」が多く見られます。最近では、今後の企業 ビジョンをつくったり、今後自身が経営者となるためにどんな思考や行動をとっていくかなどをステートメントとしてまとめるという形も増えてきています。例としてそれぞれの特徴をご紹介します。

◎経営課題解決案・新規事業案
【特徴】 経験のない機能・事業への視野の広がりや、外部環境の変化への視点、自社のリソースや顧客ニーズの把握、論理性や戦略的な思考が問われる。

◎ビジョンステートメント
【特徴】 個人の覚悟や価値観が問われ、抽象度の高い事柄を自分の言葉で確信をもって語る緊張感が伴う。
②の視点では、研修のまとめとして経営陣に提案・発表するという形がほとんどです。「経営課題解決案」「新規事業案」の場合は、個人又はグループで検討し、提案書を使って発表していきますが、ステートメントの場合は、資料等は使用せず演台から「語る」という形が多くあります。

成果物に対する期待の確認・すり合わせの重要性

研修の目的、ゴール、つまりどのような成長・変化を期待するかを踏まえた上で、どのような成果物とするのかの検討を行うわけですが、経営トップなど選抜研修のオーナーの意向を事前に確認しておくことも大事なプロセスです。研修のオーナーの意向を十分に確認せずに進めたため、折角の研修が後味悪く終了するケースをこれまで見てきました。実際に以下のようなケースがありました。

———————————————
研修の目的は「経営基礎知識の習得」であり、成果物は「新規事業案」という課長クラスの選抜研修がありました。受講者は、これまで戦略やマーケティング等の経営基礎知識について学ぶ機会がなく、ましてや事業提案の経験もありません。研修企画の段階では、「まずは知識を知って、それを使ってみる」ことを重視し、「提案の質(実現可能性)」は問わないという趣旨でプログラムを構成していったのですが、これが経営トップには十分に伝わっていませんでした。
成果物を発表する場に経営トップが参加し、受講者の提案を聞き終えると「細かいところが全く詰まっておらず、実現性も低い」という評価を受講者に告げました。
———————————————

受講者としてはそもそも実現可能性を重視してつくったものではありませんでしたので、モチベーションの低下を生んでしまったことは言うまでもありません。このように、研修のオーナーと事務局の間で事前の意思疎通が十分にできていないと、研修のオーナーからしてみれば「何のための研修だったのか?」という評価になり、受講者からしてみれば「そもそもそこまで要求されていないはずでは?」という不信感が生まれます。
成果物を設定する上では、「目的やゴールに紐づいていること」「最終提案を受ける人・選抜研修のオーナーとのすり合わせ」をすることが重要になります。

『経営幹部育成研修の設計STEP』

経営幹部育成研修の実現をご支援しています

この『リーダー読本』は、「これから経営幹部育成研修の実施を考えている方」、「経営幹部育成研修を実施しているが、どうもうまくいっていないと感じている方」に向けて、進め方のヒントをお伝えするために執筆しています。
JMAソリューションでは、本コラムでお伝えしているプロセスをお客様と共に具体的に検討し、実現を支援いたします。経営幹部育成研修について課題をお持ちの方は、ぜひご相談ください。

経営幹部問合せ

●関連情報

【講師派遣型】次世代経営者・経営幹部育成

【資料ダウンロード】「経営幹部育成」パンフレット

【企業インタビュー】日本ハムキャリアコンサルティング

【企業インタビュー】東急