研修効果を高める『前後』のアプローチ AGSインタビューVol.2

IT企業として幅広いサービスを提供されているAGS株式会社。自ら業務を動かし改革する「自律型人材の育成」という目標を掲げ、階層別研修体系を「自社ならではの活きたもの」にしていくための取り組みについてお話いただきました。お話を伺ったのは AGS株式会社 企画管理本部 人事部の安藤淳様、聞き手は日本能率協会(JMA)山川真貴子です。

前回の内容はこちら

研修効果を高める事前・事後の取り組みとは?

(山川)
今年は2年目に入りましたが、去年一度やってみて出てきた課題はありましたか。

(安藤)
研修のプログラムそのものはあまり変えようとは思っていませんが、今回は、研修で学ぶのと併せて、人事から、”会社の思い”を研修の前後に積極的にメッセージとして出すといったことを心掛けました

(山川)
研修の場だけではなく、前と後ろで、どのように受講者にアプローチするかということでしょうか。

(安藤)
そうですね。研修の開催前に、研修の目的や、課題意識について語るメールを送ったり、研修の途中で口を挟んで、”こういうことを頑張ってください”と直接受講者に伝えたりしました。研修後にも、研修内の講話で役員が話していた会社の方針に関しては、”こういう情報があるんです、もう1回確認してください”、とメールを送ったりもしていました。

弊社には、”自分で仕事を動かせる自律型人材”の社員を増やしたいという、痛切な思いがあります。せっかくそこに連動した研修をやってくださっているのですから、人事としても、単純にスキルアップのために実施していますというのではなく、「こういう力が足りないのだから、強くしていきましょう」、と会社の考えを感じ取ってもらえるように、メッセージ発信をしたということです。

(山川)
研修自体に、事前課題も事後課題もあって、とても丁寧な研修ですので、そこでもやはり人事部さんのサポートが必要になります。いろいろとやっていいただいていると思いますが、ちょうど2015年度の研修が終わったところですが、事後課題の状況はいかがでしょうか。

(安藤)
IMG_3661今、研修を受けた者に取り組みを促しています。研修の事後課題として、各自、業務の問題をロジックツリーで分析して、改善を提案、遂行するというものがあるのですが、今回は、事後課題を出すときに、「ロジックツリーというのは思考力がそのまま表れますので、きちんと考えてくださいね!」と言って、ちょっとプレッシャーをかけてみました。また、「企画提案の研修なのだから、最初から業務として予定しているようなものはいけません、自ら新たに企画提案してください」と、ちょっと強めに言っています。

昨年度は、受講者が提出した事後課題を見ると、せっかくこういう研修を行ったのに研修の主旨をダイレクトに受けとめられていない、内容を十分に飲みこんで事後課題に取り組むことができていない社員が少なくないという反省がありました。そこで、今回は人事として研修を更に活かすための積極的な意識付けをした、ということですね。

(山川)
事後課題は、人事に提出することになっているのですか。

(安藤)
はい。上司に説明して、取り組みについて了承を得たうえで、上司と人事に提出するかたちです。

(山川)
そうすると、その企画の課題をどの位置に設定するかで、その方の志が見えてきますね。

(安藤)
そうですね。でも、志ばかり高ければいいというわけではありません。やはりそこは何か実際に実現、活用できるものでないとならないと思います

(山川)
実際に、研修後の事後課題が業務に活かされているのでしょうか?

(安藤)
はい。例えば去年は、受講者に人事の者がいたのですが、人事部内の業務について各担当者がばらばらに持っているものをつなげる仕組みを提案してくれました。今、その改善提案が部内で実際に使われています。 実際に活用できるものだといいですよね。

(山川)
テーマ設定、課題設定の目安は人事のほうからみなさんにアナウンスされているのですか。

(安藤)
そうですね。昨年度の受講者の企画では、”最初から業務として予定されていることでは?”というような、努力が見えないものもあれば、逆にハイレベル過ぎる企画で、失敗必至だろうというものもある、という感じでした。ですので、今回の受講者には、「自分のできる範囲でやりましょう。ただし最初から到達できるような簡単な企画をつくって100パーセント達成するよりも、努力して高い水準の課題設定をして企画したけれど途中までしかできないほうが、価値がありますよ」と伝えてあります。

また、ありがちなのですが、「他の人の役割ばかり提案するのは避けましょう」とかですね。こういうロジックツリーを作って施策を立案すると、”会社や、他の誰々がすればいい”、というような冷たい施策、自分はあまり汗をかかないような企画をまとめてくるケースが少なからずあったのですよ。やはり慣れていないと、「当社はこうすればいい」という、評論家的な提案になってしまいがちなのです。でも、そうではなく、自らやってほしいというのが大前提としてあるのですね。

そういった具体的な条件を示しながら、このいい研修を活用できるような取り組みをしています。

(山川)
とても素晴らしい施策だと思います。

~つづく2/4~

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